安藤雅信「名残りの茶会」を終えて。
「どなたか 面白いお菓子を作る方いますか?」この夏安藤さんからから届いた一通のこのメールからこの物語の幕が開きました。...「面白いお菓子、、はて、、面白いお菓子、」しばらく考えました。...そこで頭に浮かんできたのがこの人でした。畠山舞子さんお料理の仕事をされている舞子さんに 初めてとなる茶会のお菓子を、それも茶人安藤さんの茶会。「最初にして いきなり この 聳える高い山を一緒に登ってくださるだろうか?」..彼女からの返事は「目の前にさしだされたことに対してその過程を精一杯頑張ろうと決めています。」でした。..安藤さんにその事をお伝えし、茶菓子新人のチャレンジを寛容に受け止めてくださるようにお願いしました。そこは多くを経験していらっしゃる安藤さんです。「了解です。」のお返事。..そこから舞子さんは本来の仕事も忙しい中、この「茶会」のため 全細胞を注いだ試行錯誤の日が始まりました。...百草25周年記念パーティーにも一緒に参加し、安藤さんと初めてお会いして、お茶とお菓子 器との打ち合わせも。studio のスタッフの近藤さんの温かいフォローもあり、皆さんに見守られながら準備は進んで行きました。安藤さんからの一言アドバイスは「アバンギャルドだね。楽しみながらやってね。」です。その言葉を身体に染み込ませながら 舞子さんの菓子試作は佳境に入りました。...
そして当日、安藤さんが淹れられる4種のお茶に導かれるように、また 安藤さんの器ともハーモニーを奏でるように4種のお菓子が皆さんの目の前に次々に出されました。それらは舞子さんの感性と経験とその根っこに潜む常に大切にしているものがぎゅっと詰まったお菓子でした。..
安藤さんの淹れてくださるお茶とユーモアを交えたお話とともに、皆さんの笑顔の中には美味しい豊かなひとときの喜びが溢れているようにみえました。..
初めての茶会のお菓子、緊張もプレッシャーも越え新たな世界に挑んだ舞子さん。淡々と過ぎていく日常に今 どんな温もりが残ったでしょうか。舞子さんの美味しいご飯やお菓子がもっと美味しくなったらとても嬉しいです。そして 舞子さんの美味しいの世界がもっと深く、もっと広く拡がっていってくれることを心から願っています。..
安藤さん、今回お手伝い役を引き受けてご一緒に駆けつけてくださった明子さんお二人の温かさに包まれ、支えられながら本当に大切な掛け替えのない時間をスタッフ共々楽しく過ごさせて頂くことができました。大きな心で受け止め、思いを一つに時を過ごして頂いたお二人に心より感謝申し上げます。..一人静かに頑張ってくださった舞子さん皆で一緒に応援し、頑張ってくれたそれぞれのスタッフに心から「ありがとう」の言葉を贈ります。..
2023年ギャラリーYO「 安藤雅信 陶展」はこの「茶縁」の宝物を頂き、皆さんの心にも温かい思いを刻んで幕を閉じました。...そして私の中に残った大切なものは何事にもチャレンジする喜び、その喜びをみんなで分かち合う幸せでした。...皆様 ありがとうございました。....2023年11月23日 乙守