GALLERY YŌ 5周年を迎えて
【 出会いから__ 】
30年間の東京での暮らしに終止符をうち、故郷である ここ鳥栖の両親の元に戻ったのは 14年前の事になります。
高齢の両親と暮らす日々が暫く続き、やがて 父を見送り、
少し落ち着いてきた頃、
5年ぶりに 外に目を向け、外へ出始めました。
これからの自分の生き方を改めて考え始めた頃です。
以前から一度訪れたいと思っていた「ギャルリ百草」を初めて訪ねました。
そこには
想像どおり 感性が響きあう 心地よい刺激と、
誰しもを ゆったりと迎え、包み込むような優しい空気と時間が流れていました。
安藤雅信さんの陶作品と 明子さんのサロン服など 常設の作品がたくさん並べられていて、
あれこれ ぐるぐる、ぐるぐると隅々まで見て回り、
出会ったお気に入りの品を買い求め、
Cafeで美味しいコーヒーとパンを頂いたりと、 4~5時間も
のんびりと楽しい時を過ごし、満ち足りた思いで百草を後にしました。
多治見から名古屋までの帰りの電車の中、
つい先程までいた百草の光景が
頭の中でぐるぐると回っていました。
幾らか興奮もしていたように思います。
「あゝ 私も 何か こういう事をやっていこう。」
その電車の中で
そう 決めました。
それから準備がはじまり、
場所探しから、二転 三転しながらも
もう 迷うことも、めげることもなく、一つ一つの夢を手繰り寄せるように 楽しい日々は続き、
3年の準備期間を経て
2016年3月25日
GALLERY YŌ は オープンしました。
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ギャルリ百草「美と暮らし」
安藤雅信 . 安藤明子 著
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「こころのくつを脱ぐ。」
自由に、素直に、美しさと向きあいたい、、、と始まるこの本は、日本独自の美の捉え方、
暮らしの創意工夫を軸に、”美は自分達の暮らしの中にある ” と綴られています。
読み進むうちに、
「暮らしの中の美」とは、
丁寧に育まれた愛なのだと
気付かされていきます。
お二人の広くて深いその愛は
静かな輝きとともに、今も
大切に放ち続けられています。
時々 読みかえす この本は 、
今や 私の中の大切な指針となっています。
無謀とも言える程
何の基盤も 当てもなく、
ヨチヨチ歩きの日々の中、
一つ一つ重ねた出会いにより、
人と人との縁が少しずつ 繋がり、 確かな円となっているのでは。
そう感じる日々です。
そして
5周年を迎えたこの春
「安藤雅信 陶展」を開催することになりました。
5年前には 想像もしていなかったことです。
安藤さんに「頑張ってね。」と 肩をポンと 叩いて頂いているのかもしれません。
全ての出会いと多くの支えに感謝しながら、
何事にも、何物にも寄り添いながら、
これからも 小さな喜びを皆様と一緒に育んでいきたい と 思います。
共に暮らす母は 93歳になりました。
毎日が 笑いと涙の 幸せな日々です。
その暮らしと共に
ギャラリーYŌの営みを大切に
過ごしていきたい と思います。
出会った 全ての皆様に
心より感謝いたします。
2021年 3月25日
GALLERY YŌ
乙守容子